大手管理会社 D.A社 のホームページをチェック
マンション管理会社を彼らのホームページから比較しようという企画です。
有名どころの業者を中心にサイトをチェックして、彼らの実力を探っていきます。
今回取り上げるのは、業界大手、ブランドマンションを管理するD.A社です。
(なおこのシリーズで評価するポイントは、主に管理組合運営のバックアップ体制についてです。)
- 1.「バラツキが出ない安定したサービス」
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評価: ★★★★☆
この業界の問題点としてフロントマンの当たりハズレが大きいという点があげられるので、 こうしたアピールがあるのは評価できます。
バラつきを出さないために、では具体的に何をしてくれるのか気になるところですが、 それは以下に続くポイントの中で紹介されています。
- 2.「フロント担当者ごとに専属の教育トレーナーを配置」
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評価: ★★★★★
上記の「バラつきを出さない」を実現するための具体案の1つです。
フロントマン1人1人に専属のトレーナーをつけて教育にあたらせるとのことです。これはとても良いことだと思います。 単に「社員研修に努めています」とだけ書かれたのではあまり信用できません。 どうせ形だけのミーティングなんだろうと思ってしまいます。
その点これはより踏み込んだ内容のアピールになっており、評価できます。
- 3.「フロント業務に特化させることでミスを防止」
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評価: ★★★☆☆
分業して物件担当者の負担を減らしている点をアピールしています。
担当者には総会・理事会運営のサポート、管理員のサポートを重点的に行ってもらい、 会計業務や設備点検業務などなどは専門部署に任せるとのことです。これはフロントマン依存体質という業界の欠点を理解しているという点で評価できるのですが、 一方で分業化することによってフロントマンの知識・経験が狭くなってしまうという危険性をはらんでいます。
さらには分業によって管理組合との窓口が複雑になり、何か起きたときに、 「それは○○部門に言ってください」、「それは△△部門に・・・」、 とたらい回しの対応をされる恐れもあります。
- 4.「ノウハウをデータ化し、社員全員で共有」
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評価: ★★★★☆
個々のフロントマンが持つノウハウを吸い上げ、データとして蓄積し、全社員が共有できるようにしているとのことです。 それによって物件担当者の当たりハズレを少なくするのが狙いです。
大手となれば日本全国のマンションを管理しており事例は豊富でしょうから、かなりのノウハウの蓄積が期待できるでしょう。 ただしいくら蓄積したところで、社員がそれを見なければ意味が無いのですが。
- 5.「理事会議事録の複写」
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評価: ★★★★★
理事会の際に速記で議事録を作成し、その場で理事に内容を確認してもらうというものです。 それをそのまま正式な議事録としてもいいし、それを元に改めて議事録を作成するのもいいです。 いずれにしても正確な内容の議事録を作ることができます。
これはとても良いサービスです。
ぜひ他社にも取り入れてもらいたいものです。一般的なやり方での議事録作成の場合、会議終了から作成・配布までにそれなりに時間がかかるものです。 それが原因で理事の間で思い込みによるかん違いが起きたり、場合によっては対立派が意図的にかく乱工作をしかけてくることもあり得ます。
正確な議事録の作成はとても大切です。
せっかく決まったことが一部の方の強硬な意見によってつぶされるようなことがあれば、何のために理事会を開催しているのかわかりません。 - 6.「24時間体制のセキュリティシステム」
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評価: ★★★★☆
24時間対応のセキュリティシステムを採用しているとのことです。
ガス漏れ、火災、エレベーター故障などのトラブルを感知して、自動的に通報する仕掛けになっています。 大手の管理会社では一般的なサービスです。現場のトラブルをすぐに把握できるという点ではたしかに心強いのですが、 問題は対応に当たる社員の質です。 一般に24時間対応をうたうコールセンターでは、夜に担当する社員は現場(あなたのマンション)のことを知らないことが多く、 なかなかきめ細かい対応ができないものなのです。
もしフロントマンの宿直・交代制を採用し、夜も現場を知っている人間が直接対応するのであれば、★5つになります。
※ このシリーズはあえてホームページからのみの評価に徹しており、 管理会社の実態を反映させているわけではありません。 また、ホームページの内容は私が見た当時のものであり、現在とは異なる可能性があります。 くれぐれもご了承ください。