日本ハウズイングってどんな会社?
新宿に本社を置く管理会社で、設立は1966年。
「ハウジング」ではなく「ハウズイング」。
原点は創業者がまだ大学生だったときにアルバイト感覚で始めたビル清掃会社なのだとか。
2024年現在、受託戸数は499,325戸で第1位を誇り、東急コミュニティー、 大京アステージと並ぶ業界の最大手。 従業員数は2024年時点で5,710名 (内、マンション管理部門は4,764名)。
多くの同業他社と違い、日本ハウズイングはマンションの供給会社を親に持たない、いわゆる「独立系」の管理会社。 カテリーナシリーズという分譲マンションの開発を自社で行ってはいるものの、 もっぱら他社が管理していたマンションを新たに引き受ける(リプレイス)ことで成長してきた。 (独立系管理会社としては他に合人社が有名。)
そのため営業力はずば抜けており、かつてのリプレイス市場においては独壇場とも呼ぶべき勢いを見せ業界の黒船と恐れられる。 ただし最近では他社にリプレイスのノウハウを研究され、とりわけ価格面ではかつてほどの差別化を打ち出せなくなっている。
管理員の指導には特に力を入れているようで、質に定評がある。
2008年、創業者一族同士の内紛の隙をつかれる形で不動産業の原弘産から敵対的買収を仕掛けられる。 後に日本ハウズイングと並ぶ独立系管理会社の雄『合人社』もこの買収に一枚噛んでいる(むしろ黒幕だったとの噂も・・)ことがわかり、大きな注目を集める。
けっきょく買収は失敗に終わるものの、その後もつばぜり合いが続き、2012年3月、両社は業務提携を発表。 合併し受託戸数およそ50万戸の巨大管理会社が誕生するかとも思われた。
が、そうはならず、別の管理会社として両社とも提携前と特に変わらず活動を続けている模様。
イダケンと日本ハウズイング
日本ハウズイングの物件は、10件ほど関わったことがあります。
管理組合からの不満としてよく聞くのは、「工事費用が高い」というもの。 普段の管理のレベルについては、大満足ではないけれど安いんだから仕方ない、という割り切った感想が多いと感じます。
とはいえ今は昔ほど安いわけではありません。
委託費のコストの大部分を占めるのは、管理員や清掃員の人件費であり、そこが高騰している以上、昔と同じ値段では引き受けることができないのです。
デベロッパー系と比べれば安いものの、デベロッパー系でも交渉すれば達成できそうな額ではあるなぁという、まぁその程度の安さです。
日本ハウズイングも昔は、「うちは安いです」と言っていましたが、最近は言わなくなりました。 「うちはそれほど安いわけではないかもしれませんが・・」と言って、提案力をアピールする方向に変わってきています。
だからと言って昔とサービスが大きく変わったような気もしないのですが、とにかく低価格を前面に出していく戦略は止めたようです。
そして昔に比べれば、物件を選ぶようになっています。
デベロッパー系の大手ほど強気な姿勢ではありませんが、採算の厳しいマンションにはやはり値上げを提案し、 応じてもらえないなら手を引くこともほのめかしてきます。
かつて無理して低コストで獲得した物件も多いため、現在そのつけを払わされているところもあるのでしょう。
管理会社には「嫌なら他を探してください」というドライな姿勢の会社(住友が代表格)と、なんとか引き留めようと話を聞いてくれるウェットな会社とがあります。
日本ハウズイングはウェットな会社だったのですが、最近はカスハラ(カスタマーハラスメント)がある物件などをドライに切っているようです。イダケンが関わった物件ではないのですが、そういう相談を受けます。
管理会社は今どこもカスハラに毅然とした対応をとるようになってきています。 とはいえ、あのハウズイングさんでさえ今はそうなのか、と少々驚きました。
ここの特徴として感じるのは、リプレイスで獲得した物件に、「最初」はエース級の能力の高いフロントマンを付けてくれること。 いつもそうかはわかりませんが、そういう傾向を感じます。
エース級が2〜3年は面倒をみてくれ、管理を軌道に乗せるところまで頑張ってくれるのですから、責任感がある会社だといえるのかもしれません。
しかし2〜3年たてば別のフロントマンに交代してしまうので、前のエース級フロントマンとの落差が際立ってしまい、管理組合が不満をつのらせる原因になっている部分もあるかもしれません。
業界の噂で、またイダケンもここのフロントマンから聞いたことがあるのですが、日本ハウズイングは離職率が高いと言われていて、 それもあってかフロントマンの当たり外れは割と大きい印象を受けます。
- 日本ハウズイングのホームページ
- 高層住宅管理業協会(←管理会社の業界団体)における同社の紹介ページ