東急コミュニティーってどんな会社?
世田谷に本社を置く管理会社で、1970年設立。
「コミュニティ」ではなく「コミュニティー」。
従業員数は2024年時点で10,276名 (内、マンション管理部門は6,781名)。
東急不動産グループの一員。
母体は東急電鉄のため、インターネット等で「某鉄道系管理会社」といった表現が使われるときは、同社を指している場合が多いと思われる。
2024年現在、受託戸数は483,559戸であり、業界の第2位。
大京アステージと並ぶ業界のパイオニアであり、
同社の業務システムを模倣した管理会社は多いとされる。
今は廃止しているが、かつては東証一部に上場していた。
代表的な管理会社の中で上場しているのは日本ハウズイング(東証二部)と日本管財(東証一部)ぐらいであり、受託戸数の多さ、実績と合わせて業界で大きな存在感を持っているのは確か。
会社の格を重視する管理組合から好まれる傾向がある。
受託戸数ランキングの万年3位だったが、2021年に独立系大手コミニュティワンを吸収し大幅に受託戸数を増やしたことで、ランキング1位となった。しかし2024年のランキングでは2位に転落。
デベロッパー系管理会社でありながら、かつてはリプレイスに力を入れており、同社のHPにおいてリプレイスで獲得した物件の多さをアピールしていた。
とはいえ現在はもはやリプレイスに関心を失っているように見える。
イダケンと東急コミュニティー
東急コミュニティーの物件は、11件ほど関わったことがあります。
印象としては、社員にきちんとした人が多いです。コンサルとして、社員の対応で不快な思いをさせられたことはありません。
管理組合からの不満で耳にするのは、「対応が遅い」、「壊れた箇所の修繕が遅い」、「緊急コールセンターがつながらない」など。
中でも、「緊急コールセンターがつながらない」は、わりと東急コミュニティーに顕著な特徴であるとイダケンは感じていました。本当によく耳にしたものです。
「つながるけれど対応が遅い」ではなく、「そもそもつながらない」という声を聞くことは、他社ではなかなかありません。 「緊急」コールセンターなのですから、改善が必要だと感じていました。
最後にそういう声を聞いたのはたしか2021年ぐらい。最近は聞きませんがどうなのでしょうか。
ちなみに大型マンションについては、ここはまた別の緊急連絡システムを用意しています。 イダケンはこの1年で東急と関わったのが大型タワーマンションしかないので、コールセンターの最近の事情はあいにくわかりません。
イダケンが東急から他社へのリプレイスを手伝ったのは、たしか3件です。 そのとき管理組合が抱えていた不満はサービスの費用対効果でした。
管理会社というのは往々にして、管理組合のほうからうるさく要求していかないと、だんだんと優先順位を下げて手を抜いてくるものです。
ただでさえ大手は委託費が高めなのに、サービスの質も悪くなるのなら他所に変えたい、という経緯でした。
逆に、他所から東急へのリプレイスをお手伝いしたことは、今のところありません。
かつてはリプレイス物件の獲得に積極的とHPで謳っていましたが、現在は違うと思います。 HPからもそうした記述が消えました。
100戸以上の大きな物件であったり、最初から東急を本命にしているといったケースでないと、相手にされないかもしれません。安請け合いはしません。
現在、大手の管理会社は物件の選抜を進めています。
東急も例外ではありません。
東急はコミュニティワンなどの他の管理会社を吸収して受託戸数を増やしたのですが、 そうした「外様」の物件は、委託費が安めに設定されていることも多いため、そういうマンションに値上げ提案を行い、 受け入れられなければ契約を切ることがあるようです。
そうした姿勢が強まっているのか、2024年の受託戸数は前年と比べ18000戸以上も減っています。
一方で、自社ブランドのマンション(東急グループが販売したマンション)については、なるべく維持しようとしている印象を受けます。
デベロッパー系の管理会社はどこもそうです。
自社ブランドの物件は特別なのです。
- 東急コミュニティーのホームページ
- 高層住宅管理業協会(←管理会社の業界団体)における同社の紹介ページ