デベロッパー系、独立系、選ぶならどっち?
一般に管理会社はマンションの販売会社を親に持っています。
野村や住友といった誰もが知る大手だけでなく、小さなところでもそれは同じ、
小さなゼネコンや不動産屋を親に持っているものです。
そういう言わば普通の管理会社のことを デベロッパー系 (デべ系)と呼んだりします。
デベ系は親が販売するマンションの管理をそのまま任せてもらえます。
何もしなくても上から仕事が降ってくるという恵まれた環境でぬくぬくと育っているので、一般にサービスの質は高くありません。
料金も割高で、ついでに言うなら営業もあまりやる気を感じさせない。
一方そうした親会社を持たず、自力の営業のみでせっせと顧客を開拓していくたくましい管理会社もあります。 独立系と呼ばれます。
彼らにとっては営業こそが自らの生命線ですから、やはりセールストークはとても上手。
複数の管理会社を呼んで説明会を開催すると、管理組合の心を1番つかむのは大抵この独立系です。
料金も割安です。最近では差が縮まってきているとはいえ、それでも10%程度安いことが多いです。 積極的に顧客を奪ってやろうという意気込みを感じさせます。
そうした情熱の差はそのままサービスの質の差となって表れるような気がするでしょう、普通は。 何だか独立系の方がサービスも良さそうね、と。
ところが現実はそうとも言えません。
たしかに彼ら独立系はある面における「やる気」を持っています。
しかしそのやる気はどうも営業の方にばかり向けられ、肝心のサービスの向上にはあまり向けられなかったように思います。
察するに・・・営業に力を入れて価格を下げてさえいれば、やる気の無いデベロッパー系から面白いように顧客を奪れるので、 彼ら独立系はその先の努力、すなわちサービスの向上に努める必要がなかったというところではないでしょうか。
控えめに言っても、彼らのサービスの質はデベロッパー系のそれと似たり寄ったりです。
むしろなまじセールストークが巧みなために管理組合に過度の期待を持たせてしまう分、
裏切られたときの怒りを大きくしている気がします。
料金が安いという点にしても実はカラクリがあります。
彼らは安い委託費で顧客を取り、そこで我慢した分を修繕工事で取り返そうとする傾向があります。
不必要な、あるいは割高な工事を組合に勧め、マンションのお金を吸い上げる。
これは業界全体に当てはまることではあるのですが、独立系の方がより顕著であるように思います。
金額だけで選択するのであれば、独立系管理会社は本命候補でしょう。
しかしサービスを向上させたいのであれば、慎重な吟味が必要です。
セールストークは額面の何割かぐらいに捉えておくのが無難です。