委託契約の仕様を変更する
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今の管理会社との契約の仕様を落とすことで、委託費の削減をできる場合もある。 つまりはサービスの質を下げるってこと。
下げて安くしたって意味ないでしょうが。
まぁ基本はそうだね。でも不要なサービスも探せばあるかもしれないじゃないか。 質を落とすというと悪いことみたいだけど、無駄を省くといえば印象も違うわけだし。
物は言いようですな。
利用率の少ないサービスって実際あるんだよ。 鍵をなくしたときに業者を無料で派遣しますとか。 そういうのは管理組合の方からも、これ要らないんじゃないですかって提案されることがある。
なくても困らなそうではあるよね。
でも今まであったサービスを廃止するのって、やっぱりそれなりに意味が重い。 これ要らないんじゃないかってサービスでも、例えば高齢者や一人暮らしの女性には意外とニーズがあったりするから。
そんなもんですか。
部屋の電球を管理会社が交換します、といったサービスがけっこう人気があったりして、ああそういうものなんだな、と。
人それぞれですからな。
だから利用率を確認して、アンケート取ったりしながら、慎重に進めてかないといけない。
いけない。
そんな風に丁寧に進めていると、どんどん時間が延びる。 だから今の仕様を見直したり落としたりというのは、コンサルにとって手間のかかる仕事なんだ。
なんだ。
一方で、仕様なんて今のままでいいですよってマンションも多くて、
そういう場合、こっちの仕事は減る。
楽をしちゃいかんよ。
コンサルにどこまでの仕事をしてほしいかは、管理組合が決めることだよ。 費用の問題もあるし、時間のかかるのは嫌だってことで、今のままの仕様でいいですってマンションも少なくない。
そんなもんですか。
仕様をどのていど落とすかは、マンションの置かれた状況による。 お金に余裕があるマンションと、積立金かつかつのマンションとじゃ、切迫度が違う。
違う。
お金ないのに毎月1回のポリッシャー清掃いらないでしょとか、オートドア年に4回も点検する必要あるかなぁとか、マンションにあった仕様を考えないといけない。
やりくりですな。
逆にお金があるマンションだったら、今のサービスにさえ満足してないのに、仕様を落とすなんて論外、という空気になりやすいし。
なりやすいし。
仕様を落とすだけでなしに、反対に上げてもらうこともある。 毎月1回の特別清掃を3ヶ月に1回に落としていいから、そのかわり日常清掃の回数を増やしてくださいとか。
交渉ですな。
あるいは掃除の回数減らしていいから、そのぶん1回あたりを時間かけてしっかりやってほしい、とかね。 回数こなせばいいんだろで、1回の掃除をすぐに終わらせる会社もあるから。
なるほど。
そういう提案は、コンサルがマンションの現状をしっかり把握してないとできないんだ。 だから事前の調査・ヒアリングが重要になる。
なる。
調査にどこまでの時間をかけてほしいかは管理組合が決めることだけど、 それによってこちらの仕事の質はずいぶん変わってくることを、わかっておいてもらいたい。
仕様変更の失敗例
いったん下げた仕様は2度と戻せないわけではありません。
ためしに2〜3ヶ月落としてみて、良くないようなら、また戻すこともできます。
その際に気を付けるべきは、いったん仕様を落とすことで浮いた委託費を、修繕積立金に充当しておくことです。 つまりマンションの貯金にしておくことが大切。
そうせずに、浮いた分を組合員に還元しようと管理費を下げてしまうと、一時的に組合員からは喜ばれますが、 後から元の金額に戻す(つまり値上げする)ことが困難になります。 それでは落とした仕様を元に戻すことができないかもしれません。
仕様を落とすケースに限らず、今の管理会社を変更した場合にも同じことがいえます。 管理会社を変更することで浮いたお金を、安易に組合員に還元しないことです。
もしも新しい管理会社に満足できず、また別の会社に変えたいと思ったとき、 いったん下げてしまった管理費が足かせになるかもしれません。 管理費が安いほどマンションの選択肢が減るわけですから、 仕方なく今の(サービスの悪い)管理会社と契約を続けなくてはいけない、という事態に陥る可能性があります。
実際これは、管理会社変更にまつわる、典型的な失敗例の1つです。
今の仕様を変更したり落としたりを管理会社にお願いしても、うまくいくとは限らない。 向こうから断られる可能性もある。
なんで?
会社の儲けが減っちゃうから?
単純に委託費の額が減るのを嫌がってるわけじゃなさそうだね。
これまでの自分たちの仕事のやり方を変えるのがめんどくさいんだと思う。
めんどくさいのは嫌だよね。
管理会社というのは特に大手ほどそうなんだけど、自分たちの決まりきったやり方でサービスを提供したいと思っているものなの。 うちにはうちのやり方があるんで、とか言う。
新しいことはしたくないのね。
たしかにその方が業務の効率はいいからね。
管理組合の注文にいちいち応じてると、マンションごとに仕事のやり方を変えないといけなくなって、まぁ効率は悪い。
悪い。
ところがこちらが複数の管理会社から相見積りを取っているときは、向こうも態度を軟化させて、こちらの要求を飲んでくれやすい。
ちゃっかりしてんだね。
だからそういう意味でも、なるべく相見積りを取ることを管理組合には勧めているというわけ。 相見積りを取らずに管理費削減を進めるのって、どうしても選択肢が限られて、やりづらいんだ。
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