修繕委員会を結成しよう
【前のページ】 « 0-1. 大規模修繕はいつ始めればいいの?
さて、大規模修繕の予定が近づいてきたとしよう。
そうね、実際に工事を始めるまであと1年~1年半ぐらいのところまで。
うん、あと1年ね。
そしたら管理組合はまずやらなければいけないことがある。
修繕委員会の結成だ。
なぁにそれ?
マンション住人で作る工事対策特別チームみたいなもんだよ。
大規模修繕は今後このチームがリードしていくことになる。
リードするのは理事会じゃないの?
うん、良い質問だ。 たしかに本来なら理事会がリードすればいいのかもしれないけど、現実には難しいんだ。
何で?
忙しくなりすぎるから。
日常の理事会の仕事に加えて工事のことまでやるとなると大変だ。
たしかにねー。
それに大規模修繕ってさ、完了するまでかなりの時間がかかるんだよ。 3~4年かかることだって珍しくないんだ。
ひゃー。
3~4年経つ間にふつうは理事会のメンバーって交替しちゃうじゃないか。 でもなるべくなら同じメンバーで継続して修繕にあたりたいところですわね。 だから理事会とは別に専門チームを結成した方が良いってこと。
修繕委員会とは何をするのですか?
理事会に代わって大規模修繕をリードするのが仕事です。
契約する工事業者を選んだり、業者と打ち合わせをしたり、住人説明会を開催したり、
工事中はマンション住人の要望・クレームの窓口となったり。
ただしあくまでも理事会の下部組織に過ぎないという位置づけであり、 何かを自分たちで決定する権限は与えられていません。 理事会の目となり耳となり情報を集め、報告・意見するのが仕事といったところでしょうか。 何をするにあたっても最終的な決定を下すのは理事会・総会です。
とはいえ現実には委員会の意見に理事会がむやみに反対することはないので、 修繕委員会が改修をリードしていくことになるのは確かです。
素人の集まりでリードできるのですか?
メンバーにたまたま工事に詳しい人がいるのであればともかく、 現実には素人の集まりである委員会だけで大規模修繕をリードしていくのは難しいので、 管理会社や外部のコンサルタントのサポートを受けながら進めていくことになるでしょう。
どのぐらい忙しいのですか?
実際に工事が始まるまでの準備期間のうちは、月に1度集まるぐらいでしょう。
本当はもっと増やしたほうが良いのでしょうが、それ以上は嫌がる人が多いので。
(だから大規模修繕の準備には時間がかかります。半年~1年ぐらい。
実際の工事よりも準備に時間をとられることが多いぐらいです。)
工事が始まってからは、月に2~3度のペースで会議を開くことになります。
工事期間はケースバイケースですが、半年~1年ぐらいが普通でしょうか。
メンバーは何人ぐらい選べばいいのですか?
特に決まっているわけではありませんが、5人ぐらいが一般的です。
メンバーが奇数の方が決を採るのに便利そうです。
形式的に委員長、副委員長、広報・・など役割分担をはかる場合もありますが、 結局は「委員長とそれ以外のメンバー」という図式に落ち着いていくので、 代表者さえ決めておけばまぁ問題ないのかなという感じです。
ちなみに委員長といっても、何か特別な権限を与えられているわけではありません。 単なる便宜的な代表者です。 お葬式(←縁起悪くてすみません・・)での「喪主」みたいなものですね。
ただし委員会の代表者として業者とのやり取りの窓口となるので、 しだいに他のメンバーよりも発言力が強くなっていく、そんな傾向はあります。
どうやってメンバーを集めるのですか?
マンションの掲示板に告知するなどして希望者を募りましょう。
男女別・世代別にバランスよく集めるのが理想ですが、現実には希望者などそういるはずもなく、
過去の理事長経験者といった比較的意識の高そうな人たちにお願いして、何とか引き受けてもらうというのがほとんどです。
それでもメンバーが集まらなかったときは?
それでもメンバーが集まらないのなら、仕方が無いので修繕委員会の結成を諦めます。
そして理事会が大規模修繕も引き受ける形になります。
(実際そういうマンションは多いです。)
とはいえそれだとやはり理事会の負担が大きくなりすぎるので、結局は管理会社に全てお任せとなってしまうケースが多いようです。 後ほど説明するように管理会社お任せの工事は弊害が大きいため、 当事務所としては外部コンサルタントの起用をお勧めしたいところです。
【次のページ】 » 0-3. パートナーを選ぼう