CM方式のさらなるメリット・デメリット
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CM方式で分業を進めるメリットは単に価格が安くなるだけじゃないよ。
いろいろな面で管理組合が業者を選びやすくなるんだ。
と言いますと?
たとえば管理組合がコンサルタントを選ぶ時にさ、以下の2人の候補がいたとしようよ。
コンサル方式だとこの2人の内どちらかを選ばないといけなかったじゃないか。 どちらも一長一短なんだけど、欠点の方には目をつむって。
まぁそうだね。
実際こういう選択を迫られるケースは多いんだよ。
設計とマンション管理の両面に通じている専門家なんて、そうやたらいるわけじゃないから。
困ったね。
でもこれがCM方式ならさ、設計とコンサルティング業務が分かれているじゃないか。 だから設計をAさんに、その他全体のサポートをBさんにと、言わば「良いとこ取り」の選択ができるというわけだね。
なるほど、適材適所というやつですな。
Point
CM方式のデメリット
じゃあCM方式はコンサル方式より良い方式なんだね。
う~ん、どうかなぁ。
まぁ洗練された方式であるのは確かなんだけど。
何で歯切れが悪いのさ。
あのさ、基本的に専門家の間では、競争原理が働いて業者の権限が分散しているほど、 洗練された大規模修繕であるという考え方があるわけ。
はぁ。
そういう考えに照らすとCM方式はたしかにコンサル方式よりも洗練されているわけ。 設計段階で競争が働くし、コンサルタントの権限も(設計をしないぶん)制限されてるからね。
じゃ良い方式なんでしょうが。
でも反面、たくさんの業者が大規模修繕に関わることになるから、窓口が増えて管理組合にとっては面倒くさい。 それに準備期間だって長くなるだろう。
ま、でもそのぐらいは仕方ないんじゃないの。
我慢しとこうよって感じだけど。
実際に大規模修繕をやろうという管理組合にとっては「そのぐらい」じゃ済まない問題なんだよ。 面倒なのは嫌って気持ち、とても強いからね。
そんなもんですか。
それにアフター保証の問題もある。
と言いますと?
ほら、コンサル方式ではアフター保証が不安という欠点があったじゃないか。 覚えてる?
忘れてたけど思い出した。
CM方式だとその欠点がさらに増幅されることになるんだ。
係る業者の数が増えるほど、責任の行方も分散してしまうから。
それは嬉しくないね。
だからCM方式がコンサル方式よりも優れてるとは言い切れないんだね。
ちょうどコンサル方式が工事業者お任せ方式よりも優れてると言い切れなかったのと同じでさ。
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