信頼できるコンサルタントの選び方
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結局のところ、信頼できるコンサルタントをどうやって選べばいいのさ。
そこが難しいところなんだねこれが。
なんだねこれがじゃないでしょ。
とりあえず何かアドバイスをくれないと、こっちも怖くて選べないじゃない。
とりあえず大事なのは、そのコンサルがマンション改修の設計をどれだけやったことがあるかという点だね。
まずは実績ね。
うん。マンション改修は新築の設計とはぜんぜん勝手が違うし、経験からしか学べないものだからな。
学校じゃ教えてくれないものね。
ただし経験が豊富な一級建築士事務所だからといって、直ちに信頼したらダメだよ。 自分のマンションを担当するのは経験の浅い新人なのかもしれないわけだから。
あくまで担当者の力量が大事と。
担当者が過去に大規模修繕を請け負ったマンションを教えてもらえるなら、越したことはない。 実際にそこへ行って、評判を聞けるかもしれないから。
そこまでする管理組合があるのかな。
ま、いいや。
他にはそうねぇ、過去の工事の発注先が特定の業者に偏ってるコンサルは要注意かな。
ワイロの疑いありと。
あとは見積りを取ってみて、あまりにも安すぎるところにも注意だ。
バックマージンを取って帳尻をあわせてる可能性がある。
うまい話には注意と。
提出された仕様書もよ~くチェックしてみよう。
他と比べてやたら準備期間を短く取っている会社は危ない。
準備期間といいますと?
大規模修繕では工事をする前に色々な準備があるわけさ。
建物の状態を調べたり管理組合と打ち合わせをしたり。
ふ~ん。
でもコストを削減するためにその準備期間をやたらに短くとるコンサルティング会社もある。 それだと仕事の質が下がって、けっきょく安かろう悪かろうになる。
しっかり準備してくれるところを選べと。
それと工事の最中にコンサルがどれだけ現場を巡回して手抜き工事をチェックしてくれるのか確認してみよう。
巡回の回数ね。
どれだけあれば合格なの?
そうねぇ、月に4~5回ぐらいが平均かと。
え、そんなもんなんだ。
もっと多いのかと思ってたよ。
望めば回数を増やしてもらうことはできるよ。
そのかわり料金は増えてしまうけど・・。
まぁとにかくそのぐらいの回数が基本と。
そうね。 で、提出された仕様書を見て、巡回監理の回数がやけに少ないようなら、その会社は候補から外してもいいだろう。
やる気なさそうだもんね。
でも単に回数だけで比較するのはよくない。
大事なのは巡回の質だから。
ちょっと見てすぐ帰るんじゃ意味ないものね。
でも質なんてどうやって確かめればいいのさ。
会社が実際に使っている巡回報告書のひな型を提出してもらえばいいんじゃないかな。 それを見て内容が充実してるか、しっかりチェックしてくれそうかを判断しよう。
ほうほう。
まぁそのぐらいかな。
あとはコンサルをマンションに呼んでさ、プレゼンしてもらってさ、雰囲気で決めればいいんじゃないの。
雰囲気って何だね。
もっとちゃんと説明しなさい。
コミュニケーション能力を見てみるといいよ。大規模修繕では新築設計と違って管理組合との意思のそつうが大事になるからね。 「オレに任せとけ。素人は口を出すな」タイプだとつらいだろう。
えらそーなのはダメと。
コンサルがマンション管理にどれだけ通じているかという点も重要だ。
建物については詳しくても、マンション管理?何それ?みたいな人だと、管理組合は困ってしまうだろう。
困るかな?
大規模修繕の期間中って、管理組合がやらなければいけない仕事がけっこうあるわけ。 どう進めればいいかわからないことだって、たくさん出てくるじゃないか。
まぁそうかもねー。
そういう時に「そんなのそっちでやってくれ」なんて返事が返ってくる会社じゃ困るだろうってことさ。
でも向こうがマンション管理に詳しいかどうかなんて、こっちにはわからないよね。
そうでもないさ。ちょっと世間話でもしてみればわかる。
さりげなく向こうのレベルを探ってみるといい。
管理組合にもテクが求められるね。
最後に1点。コンサルが透明性の確保にどれだけ気を使っているのかをチェックしてみよう。
ん、どういうことだい?
「コンサル方式」でいちばん怖いのは、コンサルタントがリベートをもらって特定の工事業者を斡旋してくることなわけ。
うん。
で志の高いコンサルほど、自分がそういう悪徳な輩と思われないよう気を使ってるはずなわけ。
といいますと例えば?
「工事業者を選ぶ際には自分は判断材料を与えるだけで最終的には管理組合に判断してもらいます」、 といった姿勢を強調するだろうさ。
だろうさ。
業者の絞り込み方から見積りの取り方から、少しでも透明性を高めるための工夫をしているだろう。 そういう配慮がどこからともなくにじみ出てると思うんだな、プレゼンの時点で既に。
そんなもんですか。
そういうのは管理組合の方にだって何となく伝わるじゃないか。
この人はリベートの問題に正面から取り組んでいるなぁと。
かもしれないね。
逆に言えばそういう姿勢を感じさせないコンサルは怖いんじゃないの。
あたかもリベートの問題なんて存在しませんみたいな態度を取る人物。何となくその話題を避けてるふしのある人物。
ふむふむ。
何となくそういう人物は仕事への意識が低いように感じられてしまうのだ。 少なくとも自分が知る優秀なコンサルは、みんなこのリベートの問題に正面から向き合ってるよ。
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- 3-3. 建物診断をしよう
- 3-4. 設計をしよう
- 3-5. 業者を選ぼう
- 3-6. 見積りを取ろう
- 3-7. 総会決議を採ろう
- 3-8. 説明会を開催しよう
- 3-9. 工事の開始
- 3-10. 工事を終えて
- 3-11. コンサル方式のまとめ