コンサル方式(設計施工分離方式)の落とし穴
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コンサル方式って良いことづくめなんだねー。
うん、コンサル方式は「管理会社お任せ方式」とか「工事業者お任せ方式」の欠点をカバーする目的で考え出されたシステムだからね、 一見洗練されてて完璧な方法に見えてしまうのだ。
ということは実は完璧じゃないんだぜ、と。
控えめに言っても、中ぐらいの欠点が1つと、巨大な欠点が1つあるね。
じゃまず中ぐらいの方からどうぞ。
この方式の中ぐらいの欠点、それはお金がかかること。
単純に考えてコンサルタントに支払うお金を、管理組合は余分に出費しないといけない。
いくらぐらいするの?
一概には言えないんだな。
コンサルという商品はオーダーメイドだから。
と言いますと?
たとえば建物の劣化診断をどのぐらい徹底的にやってほしいかとか、現場の巡回チェックをどのぐらいの回数でやってほしいかとか、 管理組合ごとに求めるレベルが全然違うわけ。で、値段も大きく変わってくる。
大体でいいよ。
そうねぇ、大体で言うなら150万~300万円ぐらい払うことが多いんじゃないかと。
けっこうするねー。
そうね。それでも「管理会社お任せ方式」よりは安くなるよ、たぶん。
でも「工事業者お任せ方式」よりは高くなってしまうということだ。
Point
続いてこの方式の巨大な欠点について。
それは悪徳コンサルタントにひっかかる恐れがあること。
悪い奴がいるのね。
で、それにひっかかるとどうなるの?
今まで説明してきたこの方式のメリットが何1つ機能しなくなる。
工事業者を選ぶときは管理組合をわざとミスリードして特定の業者をひいきして、おまけに手抜き工事のチェックも一切しない。
けしからんね。
設計からしていい加減だろうし。必要も無い工事を計画してたっぷり積立金吸い上げてさ、 工事業者を潤わせて自分はリベートもらうというお決まりの錬金術だ。
許せんね。
そもそもコンサルを入れる最大の理由ってさ、管理組合だけで良い工事業者を選ぶのが難しかったからじゃないか。 悪い業者を選ぶと全てが終わってしまうから、保険として専門家のアドバイスを受けるわけだ。
そうだったね。
でも良いコンサルタントを選ぶのも同じぐらい難しいんだ、実際のところ。 管理組合だけで工事業者を選ぶのとリスクはあんまり変わんないわけ。
じゃ、あんまし意味ないね。
まさにその通り。これがこの方式の抱える根本的な問題だ。
巷ではこのコンサル方式こそが最も優れた大規模修繕の進め方だみたいに言われるんだけど、必ずしもそうではないのさ。
じゃ、結局どの方式が1番良いのさ?
何とも言えないね。
「工事業者お任せ」か「コンサル方式」か、合ってると思った方を選んでくださいとしか。
「管理会社お任せ」は無視なんだ。
うん。あれはたぶんあんまり良くないと思う。
Point
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