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大規模修繕について、このような情報を載せているサイトです

外壁タイルの補修、及びその品質チェック

マンション外壁のタイルは時間の経過につれ接着力が弱くなり、タイルと下地との間に隙間が生じてきます。 「浮き」と呼ばれる状態です。

浮いているタイルがなぜ落ちないかと言えば、目地(タイルとタイルの間の部分)と接着されているからに過ぎません。↓ 放っておけばそのうち剥がれ落ちて大事故につながりかねないので、大規模修繕で直します。
目地

浮きの確認には打診棒(パールハンマー)と呼ばれる金属の棒を使用します。
打診棒でタイルを叩いた時の音で浮きを確かめることができます。
浮きが生じているタイルは、中に隙間があるぶん、音が反響するからです。

一枚一枚タイルを叩いて確認します。地道な作業です。↓
打診棒で確認

同じ年数のマンションと比べて浮きの数が多い場合、新築時の施工品質が悪かったと言えます。 手抜き工事で作られたマンションほど、多くの浮きが発生します。

浮きが確認された箇所は、目地(タイルとタイルの間の部分)に穴を開け中に接着剤を注入するか、 浮きが広範囲の場合は張り替えをします。

外壁のどの部分を張り替え、どの部分を接着するか、また接着するにしてもどの程度の接着剤を注入するか、コンサルの腕が問われるところです。
工法によって工事費用は大きく変わるからです。

重要なのは、箇所によって工法を使い分けること。
接着剤を注入するにしても、1㎡あたり25箇所程度の注入で十分な箇所もあれば、50箇所注入した方が良い箇所もあります。 いっそのこと張り替えた方が良い箇所もあります。

劣化度合いによって、それらの工法を適宜使い分けること。
知恵を絞って低予算で工事品質を確保するとは、そういうことです。

残念ながら、工事業者の中にはその種の細やかな配慮に欠けている業者があります。

大きく劣化している箇所があるから全面的に張り替えなければいけないとか、接着剤を全面的にたくさん注入しなければいけないといった提案をし、 工事のことがよくわからない管理組合から工事費用を余分に取ろうとします。

厄介なことにタイルの修復費用は追加費用という形でかかるのが専らなので、見積もりの金額には含まれていません。 工事費用が安いと思って発注したのに、高額の追加費用を請求されるかもしれないのです。

業者としては工事費用を少しでも増やしたいのでしょうが、管理組合に無駄なお金を使わせないのが、コンサルタントの役目です。 下のマンションでは、1㎡あたり25箇所の接着剤注入と、1㎡あたり50箇所の注入を場所によって使い分け、一部タイル張り替え方式も採用、コストを削減しました。↓
場所ごとの工法の使い分け

さて、タイルの浮きがとりわけ怖いのは、深目地と呼ばれる張り方をしているマンションです。↓
深目地

タイルの掘りが深いのがわかります。
デザイン性を重視した作りですが、この深目地のタイルに浮きが生じた場合、通常よりも剥がれ落ちる危険性が高まります。 非常に危険な状態なので、早急な張り替えが必要です。

ちなみに張り替え用のタイルですが、既製品を使うと色が合わずに美観が悪くなります。
特注で焼きましょう。

一窯と言う単位で焼くのですが、一窯で9000枚程度タイルを焼くことが可能です。
これだけ焼けば小規模マンションでは次の、またはその次の大規模修繕の時も使えるかもしれません。 どうせなら目一杯の数を焼いてしまいましょう。

外壁タイルの補修が終わったら、コンサルタントが施工具合の検査を行います。
下の写真のマンションではタイルの浮き(接着不良)が2箇所ほど見落とされていました。業者にその旨指摘し、施工してもらいます。↓
未施工箇所

さらに下の写真です。↓
タイルとタイルの間の目地の色に、明るいところと暗いところがあるのがわかりますか?
目地の色が合わない

このマンションは場所によって目地色が異なり、施工前に試験施工した箇所は明るい箇所のみ実施したので、このようなことがおきました。 せっかく補修をして頂いたのですが、美観にかかわる重要なことなので、目地のやり直しをお願いしました。

工事中にはこうしたイレギュラーな事態が必ず生じます。
だからこそ、管理組合が割を食う形で決着が図られることのないよう、私たちコンサルタントが間に入り施工をよく確認する必要があるのです。

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