節約コンサルティングの実例
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とある東京の小規模マンションの理事長からイダケンに相談がありました。
聞けば今の管理会社に不満があるとのこと。↓
管理会社が何もしてくれないんだ。担当者は全然マンションに来ないし、頼んだことの対応も遅い。 気が利かないし、プラスアルファの提案もない。
よくある相談です。ちなみにそこの管理会社は規模の小さなところで、委託費は比較的低額。 安かろう悪かろうのケースです。
そういえば大規模修繕も一度もやってないんだよね。
築20年になるのに、管理会社の方から提案してこないんだ。
まぁ今さら提案してきたってこっちも任せるつもりなんかないけどさ。
これも意外と多いケース。 小さな管理会社の中には大規模修繕のノウハウを持っていないところが少なくなく、また積立金不足という厄介な問題にも立ち入りたくないため、 見ないふりをして放置するのです。
案の定そのマンションも積立金が不足気味でした。
金額はおよそ2000万円ほど。築20年で初めての大規模修繕を行うにあたっては、かなり不安な額といえます。
これしかお金がないんだもの。このお金だってできれば使い切りたくないし、積立金の値上げは難しいし、これからどうしよう。 考えると頭が痛い・・。
深刻な問題です。お金がないからと工事をしないままでは、マンションは老朽化していくばかり。 スラム化の危険は現在多くのマンション、とりわけ資金に余裕のないことが多い小規模マンションが抱える問題です。
国がマンション管理士の資格を創設したのも、元はといえばこのマンションスラム化の問題に危機感を募らせたから。 つまりこうしたマンションを救済するために知恵を貸すことが、私たちの仕事なのです。
コンサルタントに入ってもらえればとは思うけど、150万ぐらいするんでしょ? うちみたいな小さなマンションには厳しいかも。
以前似たような小規模マンションの大規模修繕を、格安コンサルプランで引き受けて成功させたことがあります。 お役に立てるかもしれませんよ?
そんなのがあるんだ。良さそうだね。
じゃ正式に見積もり出してよ。
トントン拍子に話は進み、コンサルティング契約を結ぶことになりました。
多くの小規模マンションの管理組合は、初めからコンサルを入れるという選択肢を諦めています。 そこにイダケンが低額のコンサルティングプランを提案すると、大変に興味を持ってもらえることが多いです。
私たちがお役に立てるマンションは、きっと全国に数多いのです。
イダケンはいつも思うのですが、このマンション管理士という仕事の将来性は実に大きなものがあります。
まずは建物診断から
まずはマンションがどの程度傷んでいるか知るところからです。
建物診断を行い、補修の必要がある箇所を撮影。報告書を提出しました。
以下はそうした箇所の一部です。↓
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エフロレッセンス(雨水染み出し跡)を伴うひび割れ。
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バルコニータイルのひび割れ。
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バルコニー手すり壁のひび割れ。
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壁の塗膜が経年劣化により変退色、光沢低下しています。
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バルコニー外壁に雨水が染み出した跡とひび割れ。
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バルコニー外壁に雨水が染み出した跡とひび割れ。
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バルコニー外壁の爆裂。モルタルの浮きも見られます。
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廊下の手すり壁に雨水が染み出した跡とひび割れ。
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屋上の屋根に傷とサビが見られます。
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屋根のシーリング材の経年劣化によるひび割れと剥離。
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屋根の塗装表面の劣化によるチョーキング(粉化)。
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平場の人工芝が汚れています。
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人工芝が汚れています。
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ルーフバルコニービニル床シートの汚れ。
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ウレタン塗膜防水の劣化によるチョーキング。
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防水ウレタン塗膜が破れています。
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手すり下笠木の塗装が剥がれています。
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ウレタン塗膜防水が消耗しています。
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排水口が爆裂を起こしています。
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廊下の床シートに経年の汚れ。
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側溝モルタルに経年の汚れ。
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踊り場の床シートが剥がれています。
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屋上高架水槽にサビが見られます。
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メーターボックスのサビ。
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メーターボックスの塗膜が剥がれています。
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受水槽置き場の扉。塗膜が剥がれサビも見られます。
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排気口の金物がサビています。
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非常警報機盤に薄いサビが見られます。
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駐車場の設備に塗装の退色と発サビ。
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扉に塗装の退色と発サビ。
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天井ダクトの塗膜が剥がれています。
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機械式駐車場のパレットにサビが見られます。
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駐車場の壁ボードに汚れが見られます。
傷んでいる箇所を目の当たりにしたことで、管理組合のみなさんからは驚きの声が聞かれました。 一見きれいなマンションなので、これほど直す箇所があるとは思わなかった、とのことです。
一方で逆に、築20年でこの程度で済んだのなら良かったのではないか、との感想を漏らす方もいました。
2000万という予算の範囲内で、このマンションの大規模修繕を成功させることができるのでしょうか。 スタンダードな工事を行えば、おそらく予算の倍近い費用がかかるはず。
さぁコンサルの腕の見せどころです。
不安の声も聞かれましたが、イダケンは何とかなる、との思いを深めていました。
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